今日はもうすごいローカルな話なんで
分からない人は飛ばしてください。

小さいころから、怖いっていうか
ゾワゾワする町があって
僕にとって、それは京浜急行の
横浜駅の2つ3つ先にある
黄金町と日ノ出町界隈

お墓と親戚がやっている歯科があるので、
人生で、もう何度も何度も、
乗り降りしている駅

この半径5キロメートルに
歩いている人の中で
僕が一番年収あるんじゃ?
とか
勘違いしちゃう町です(そんなことない)

いまだに妖しいお店や風俗店が
並んでいる町だけど


黄金町駅前にある「黄金劇場」という
ストリップ小屋
夜になると大岡川を赤く染める置き屋さん
そこで手招きする、異国の女性たち
日ノ出町駅前にある「光音座」という
ゲイの映画館
。覗いてみると
「劇場」の中ではなく、
ロビーにたむろする男性たちが
入ってくるお客を品定めをする
淫らな視線。


野毛山動物園の野獣の匂い
横浜市立図書館で、雨や寒さをしのぐために
新聞雑誌コーナーにいるホームレスの人たち
顔を白粉で真っ白にした横浜メリーさん

小さい頃は、本当に怖かった。

もう今は横浜松竹も馬車道の東宝も
濱マイクの舞台になった横浜日劇も
ないけれど、黄金町の映画館
「シネマ ジャック&ベティ
映画を観るときは
一気に「昭和」に戻るっていうか
土曜日の昼間にやっていた
「サスペリア」や「オーメン」
平日の三時~の傑作ワイド劇場で観ていた
天知茂の「明智小五郎の美女シリーズ」を
観てた時の「今日、夜眠れるかな?」って
ゾワゾワした気分になる。

横溝正史の角川文庫の表紙をめくる気分?
移動サーカスの幕を開けるような。

いや、映画通の人が喜ぶような
ラインナップの映画館
なだけなんだけど。

でも、今回観た
『イップ・マン~継承』
人々の称賛を得ていた武術家イップ・マンを
ドニー・イェンが演じた映画で
西洋人に統治された1959年の
魔界都市香港

YOKOHAMAって文明開化のイメージと
生と性で生々しく猥雑なヨコハマが
ぐるんぐるんに入り混じって

上手い具合に映画と映画館の魔法?!
タイムトラベル
巻き込まれたみたいで
面白かったのだ。

それにしても50年前の香港を再現した
部屋やレストランのインテリアが
めちゃくちゃ可愛いんだけど!

そしてイップ・マンの奥さんを演じた
女優さんが、中山美穂なんだか
松本明子なんだか、これまたぐるんぐるん。

突然のキャスティングのマイク・タイソンは
どう見ても、「現代」のアメリカ人
だし!
これは全然ネタバレにならないんだけど
彼が戦いのなかで、自分の娘が階下で
遊んでいるのに、窓をたたき割るんだよね。
下にガラスの破片が飛び散る飛び散る。
そんとき『北の国から』の田中邦衛ばりに
「こどもがまだ食ってる遊んでる
途中でしょうが!!」って叫びたかった!!
(これは、観てない人しか分からないけど)

もうその混沌が、楽しかったのだ。

でも、小さい頃見たあの町の怪しい魅力が
潜在意識に残っていて

いま、東京でも有名な歓楽街の
五反田に住んでいるのかもしれない。
香港やバンコクが好きなのかもしれない。
映画館の暗闇が怖くて
映画が好きなのかもしんない。