時に言われて困る言葉
「俺、結構2丁目とかでモテるんだよね、
襲わないでくれよ〜」

2丁目では、営業トークしてくれてんだよっ!
余計な口出す前に、ナニを出せっ!

「私、ホモの人と仲良くなるんですよ。
おホモダチになってください」

なんでだろ?自虐で
「昭和のおかまだから」とか言ったり
もっとひどい言葉で罵倒されるのは
好きなのに(プレイ?)
他人に「ホモ」って言われるのが嫌なのって。

僕の場合は、中学高校が
とんねるずの全盛期

クラスで少し元気な男子は
みんな石橋貴明の喋り方をしてた。

僕自身も80年代アイドルが大好きで
彼女たちをいじる貴明や
業界ネタ満載のとんねるずの番組を
喜んで観ていた。

でもね一つだけ苦手だったのが
貴明が演じる「保毛尾田保毛男」
いや、今問題になってるじゃないですか。
30周年番組で復活させて、差別だなんだ、って。

テレビのコンプライアンスとかウゼェ!
クレームなんてする方が少数派なんだから
無視しろよ!って、普段は思ってる。
もちろん、今回だって、しませんよ。


「権利の増長だ!」
「そう言う奴らがテレビをつまらなくしてる」
「キャラだろ、ノリが悪いな!面倒だ!」
って
擁護する人が多いし(これは結構ショック)
ゲイにも、「俺は気にもしたことない」って人も
もちろんいるだろうけど

でも、思春期真っ盛りの僕は、当時
保毛尾田保毛男を見て
それを真似するクラスメイトを見て

「僕は、やっぱり気持ち悪いんだ。
嘲笑されるんだ。
ホモになっちゃいけない。
男を好きなことは隠さなきゃいけない。
でも、そんなの一生隠し通せるの?」
死んでしまいたいと思ってた。


そんな大げさな、って思うかもしれないけど
だって、中二病なんだもん、仕方ないじゃん。
それに、「女(男)に生まれて、
男(女)を好きになる」
だけで
誰かに気味悪がられたりすることなんてない
世界から拒絶される恐怖を知らない異性愛者には
絶対に分からないことだと思う。

もちろん今は「わかってほしい」なんて傲慢。
それはゲイ、ノンケ関係なく他人のことなんて
簡単に理解しあえないよ。
でも、あの頃は、狭い世界で生きてたんだもん。
美輪明宏さんも、おすぎとピーコも
テレビには出られない時代だったんだもん。

同性愛者の「ステレオタイプ」は
石橋貴明の保毛尾田保毛男だけだったんだもん。


フツーの、隣にいるゲイじゃダメなのかな。
やっぱり「異物」でなきゃ、
みんなは笑わないのかなぁ。

笑われなきゃいけないのかなぁ。

『THIS IS US 36歳、これから』

アメリカのドラマでも、こんなシンプルな
ヒューマンドラマをやるんだ?!
NHKで放送されたのを観たんだけど
フツーのストーリーの中に、家族関係に
フツーに不謹慎な言葉があって
三つ子のきょうだいの一人は
黒人の捨て子だったり
一人は巨大なデブだったり。

これが「差別」とか、文句を言われないのは
【フツーの人】として、描かれてるからだと思うんだよね。

保毛尾田保毛男や、24時間テレビの
賛否が騒がれないほど、霞むほど

もっともっとフツーに、
障害者や同性愛者や
いろんな生き方してる人が
いろんなキャラクターが
日本のテレビに出てくればいいのに。