ちょっと旅ネタが続いたので、気分を変えて(って自分が飽きただけか)
「前宙返り三回半抱え型」
「スワンダイブ」
「前逆宙返り二回半蝦型」
一体なんのことか分かりますか?
あたしは知らんかった。
高さ10mの飛び込み台から 時速60kmでダイブして、
わずか1.4秒の空中演技の正確さと美しさを競う「飛び込み競技」です。
オリンピックでやっているのをチラっと見たことがあるくらい。
そんな「飛び込み」を舞台にした小説『DIVE!!』 がおススメ!
読書は大好きで、このブログでも好きな本を紹介しようと
常々思っていたんだけど、「本」ってさ、同じ自分でも
読んでいるときの年齢、感情、季節、それこそ天気や湿度によっても
「ハマルかどうか」右往左往するもんだから
なかなかね、何を挙げていいのか。
「マリリン、こんな本が好きなのか、センスねえ」と思われるのも癪だし(*゚ー゚)ゞ
でもね、この本は、どんな人が読んでも楽しめるんじゃないかな?
著者は、近頃、直木賞を受賞した森 絵都さん。
幻の天才ダイバーの血を受け継ぐ、野性味あふれる高校生・飛沫(しぶき)
両親とも飛び込みの選手で、英才教育を受けてきたエリート・要一
そして、優れた動体視力を持ち、誰からも愛されて育ってきた中学生・知季
この3人を軸に、コーチ、チームメイト、両親、兄弟、恋人らの感情が渦巻き
さらには、オリンピックに向けての大人たちの思惑がうごめいていくんだけど
本当に面白かった!!!!
もう最後のオリンピック選考会なんて、
自分がそこにいるんじゃないか?ってくらいハラハラドキドキの臨場感。
選手が飛び込むたびに、「上手く飛び込めますように・・・」緊張しながら祈り続け
点数が発表されるのを固唾を飲んで、待ったよ。
(マンガでは『スラムダンク』『YAWARA!』『柔道部物語』で経験済みだけど
絵のない小説では、はじめて!)
そう全員、これが大事なんだけど、全員に「成功してほしい!」と思うのよ!
登場人物の挫折と成功を、まるで隣で見てきたかのような錯覚。
いつのまに「愛着」わきまくり。
「顔が命」のあたし的には、断然要一派!!
クールな彼の中に、秘められた勝負への執念と情熱が、またいいんだ~。
もちろん飛沫にも抱かれたい(えっ?そういう小説?)
最年少の素直でかわいい知季も、友人から
「おれはおまえのその無心そうなところがむかつくんだよ!
飛び込みが好きで、楽しんで飛んでて、試合の結果は二の次でいい
そういうスポーツマンらしからぬ態度が気に入らねえんだ。
・・・・スポーツマンが爽やかだなんて、思ってんじゃねえだろうな。
あんなの嘘だよ。スポーツマンなんて強欲で、ジコチューで
一番でなきゃ気がすまないんだ。
・・・・でも、テレビやマンガじゃ、いつも最後に勝つのはトモみたいな
無欲なアホ面なんだよな!」と言われる始末。
(けど、あたしはこのセリフ大好き)
そんな彼も、彼にとっての試練を乗り越えて闘志を芽生えさせていくの。
ああ、オリンピックやワールドカップで涙する人の気持ち分かったよ(ノ◇≦。)
ごめんなさい。全然スポーツ観戦しない人間で。
でも、そんなあたしが夢中になって、爪を噛み続けて(『白夜行』の雪穂)
ページをめくった本です。
よくさ人気のあったテレビの連続ドラマがスペシャル化されるじゃない?
あたしは、続編やスペシャルが「本編より面白い」と思ったこと殆どないんだけど
(故・高橋良明くんが出ていた『うちの子にかぎってSP』くらいか。
あと内容ではなく『男女七人秋物語』の総集編SPで、
岩崎宏美が「妹の良美が『スクール・ウォーズ』のとき
山下真司さんが嫌いだったんだけど、やっぱり私も嫌いだった」って
言ったことが面白かったな~)
この小説は、ぜひぜひ、続編が読みたい!!スペシャルでも可!
3人の、いや登場人物全員の“その後”が、もっと読みたいよ~(≧▽≦)