もう一気読み、というか
一気に読まなきゃ、自分の痛い思い出に
追い付かれそうで……


僕って真性のMなのか。

朝が来たら、ふたりは別々の道を歩く。
引っ越し業者が荷物を全部運び出した後の
ふたりが過ごした部屋で、迎える最後の夜
そして、セリフに出てくる歌がユーミンの
♪もうすぐかわいいあの女と
引越しするとき気づくでしょう♪

Brоken heart
最後のジェラシー
そっとベッドの下に片方捨てた
Ah真珠のピアス♪


恩田陸さんの
『木漏れ日に泳ぐ魚』

男女の別れの話かと思いきや
どんどん明かされていく秘密
自分でも曖昧な記憶
ある人物を殺したのではないか、と
お互いが探り合うサスペンスへと!

でも、やっぱり今の僕には
我が心を引き裂くラブストーリーでしたよ。

「そう私たちは何も共有してこなかった。
何も共有できなかった。
共有していると思っていたものは
皆幻想だった。
こんなところで、
私たちは何をしているのだろう」


いや、彼と別れたことを言うと
「でも、長い付き合いのなか
いい思い出だってあったでしょ」と
慰めて?くれる人もいるんだけど
(いや、それこそ彼自身にも言われた!)
僕が歪んでるのかなぁ?
そんなことちっとも思わないんだけど。
こっちが宝石のように大切に
今まで積み上げていたもの

全部崩していったじゃん。
あんたにとっては、ただの石ころだった
って
僕に気づかせたじゃん!
思い出も、時間も、人生も全部ムダ!
もうその石を全部拾い上げて
投げつけてやりたいんだけど。

「付き合って18年です」
「えーー長い!すごい!」

年数にこだわってたのは僕。
逆に、一緒にいた年月なんて
まったく信じてなかったのは、誰よりも僕。
だって、何も共有してなかったんだもん。

あっ、ここまで読んでくださった人は
そういうネガティブさ、重さが
人から嫌われるんだよ、
今まで付き合ってきた人とも
形を変えて、仲良くなれないんだよ、って
お思いでしょう。(*´∀`*)エへへへ。
そうなのです!!ハイ、正解!
(って他にも問題多々ありますが)
でも、おじさん、もう違う生き方わかんない。

そして「自分が悪者にならずに
この生活を打ち切るきっかけを探していた」
「彼女のせいにできた」
「彼女の口から決定的な言葉を吐き出させ
それから逃げる形で
これまでの歳月を終わらせたのだ」

「本当の僕は、罪悪感も自己嫌悪も感じていない」


さりげなく目の前の事実に知らんぷりをし、
責任を回避して、逃げる男。


いやーーー、いやいやいやだ!!!
文庫のページをめくりながら、叫んじゃった。
小説の世界と自分がシンクロして
波にのみ込まれる~、溺れる~。


僕はどっかでそんな彼が
いつか僕には「真剣に向き合って」くれる日が
来るのでは?
待ってたのに。
それが恋とか愛とかじゃなくても
どんな形でも、自分が、彼の心からの
感情をぶつけてくれる相手
なりたかったのに。


「あなた、誰かを愛したことがある?」

あぁ、投げつけたかったセリフ!!
でも、それはそのまんま僕に返ってくるブーメラン
「あるのかなぁ」

ごめんなさい。興奮のあまり
本日はダークサイドバージョンで
お送りしました。

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)
恩田 陸
文藝春秋
2010-11-10