左耳から入って、右耳に抜けていくものだと
思ってた、「音」って。
(僕の場合は、鈴愛と逆で右耳不能)

物心ついたときにはそうだったから
「何度呼んでも、振り向かない」
「テレビや漫画を見すぎ
ちゃんと返事しなさい!」

親に怒られても、気づかないよ!
「なんで、車に乗ると
こんなに具合が悪くなるんだろ…」

自分の三半規管の弱さが苦しくて
(もちろん三半規管なんて言葉
知らなかったけど)

年子の妹と電話で遊んでるときに
言った気がする。
「なんで、受話器を右耳で持てるの?」って。

小さい頃は大学病院はじめ
耳鼻咽喉科めぐりですよ。
(しかも律と同じく、喘息持ちで
そっちの病院も!)
大きなヘッドフォンを着けて
「音が鳴ったらこのボタンを押して」って
押すことは、なかったけど。
鼻の穴に大きなノズルで水を入れたり。
(ほかの子供たちがむせて
鼻水ダーダー流してる記憶は鮮明)

聴こえないことより
「もう無理なのに」病院に通うことが
苦痛だった。


でも、今週『半分、青い。』を観てて
当時の(30代の)父は、母は
どう思ってたんだろ?
どこで諦めたんだろ?

松雪泰子演じる晴さんみたいに
「同じような人は多いんですよ」と
お医者さんに慰めの言葉をかけられても
「みなさんの話はどうでもいいんです。
この子がなんで?」と悲しんだのかな?!

いやー、僕は鈴愛みたいに突然だったり
それこそ「大人になってから難聴になって」
歌えなくなったアーティストとは違って
(カラオケもガンガン歌うし。
( ゚д゚)ハッ! だから音痴なのかも!)
もうそれが「当たり前」だったから
両耳で聴こえてる人の「音」が分からん。
失う怖さもなかった。

「これからは水泳の授業に出ないように」って
お医者さんの指示が嬉しくて嬉しくて。

でも、母はどう思ってたんだろ?

聴いてみたら、赤ちゃんの頃から
左耳にしか反応しなくて
分かってたんだけど
ある程度の年齢にならないと
検査できなくて、
その頃にはもう覚悟できてたんだって。
父がガンになったときは
晴さんみたいに、健康食品買いまくってたけど

でもそんなの責められない。
このドラマについても
障害者や病気の人に配慮が云々
と、自称・正しい人たちが
批評するの、息がつまるよ!!

原田知世の金八先生のモノマネ!!!)

いや、いまだに車に乗って
右側に座る運転席から、
母は、フツーに話しかけてきますからね。
そっちからじゃぁ聞こえない!
横にいるから口の動きも
読めないっちゅうねんっヽ(#`Д´)ノ
お前が一番わかってないちゅうねんヽ(#`Д´)ノ


あぁ、そうです。人の口の動きで
何を言ってるか、読み取るのは得意かも。

(『瞳はダイアモンド』みたいに
♪あなたの目を覗き込んだとき
黒い雨雲が二人の青空消すのが♪見えたり)
鈴愛は「海の音」と表現してたけど
左耳を押さえれば
(さらに目をつぶると)
海の底にいる深海魚みたいになって
音のない世界に隔離されて
すごい集中できる。

(それで受験を乗り切った!)

「生き物として弱くなった。
でも本能が生きようとした」


病気だけじゃない
人生、この先何が起きても
受け容れて、生きていく。
かわいそうじゃない。
面白く生きていく。

天気が悪くても、
半分は雨の音が聴こえない。
だから、鈴愛の半分は、
いつでも晴れ。

北川悦吏子さんが紡ぐセリフが
物語が、メッセージが、
耳が半分聴こえなくても
高らかに響くし
心の中まで届くよ!


そして、「俺があいつより
一足先に生まれたのは
あいつを守るためだったかなぁ」


律(佐藤健)のナレーション!!!
ぎゃーーーー
北川さんの真骨頂!!!