いつものように、中谷美紀の
女優人生に思いを馳せながら
このドラマ観ようと思ってたんだけど

「私は15年かけてここまできたのよっ!
いい?遠野リサの代わりは誰にもいない!」


ってセリフに、ふわっーーーと幽体離脱。
魂は、テレビ画面のなかの遠野リサへ。


よくさ、映画やテレビの感想で
カメラワークとか
話の辻褄とか細かい設定を
語っている人がいるけど
僕は、そんなのどうでもよくて
自分が感情移入できるかどうか。
たとえば、月9『デート』とか
すんごく面白く観てるんだけど

主人公2人の思考回路がまったく分からないから
自分のなかの「ハマり度」は低い

そう、そしていつのまに
遠野リサにハマってた。
まぁ、仕事内容は全く逆で
原稿を「待つ」方なんだけど。

僕は20代後半どうしても
南米を旅したくて、会社を辞めて
戻って来たら就職氷河期。
いまの会社、最初は派遣で入ったんですよ。
「派遣ってなに?」って
雇用形態も分かっていず。

ただただ与えられた仕事は
全部、受けてきた。

空いている時間があれば
仕事を探してた。
でも、やればやるほど
期待されるようになる。

やるのが当たり前だと思われる。
1年後には正社員にならないかと言われて
その話を快諾したけど、

今度は、「裏口入社?カラダ使った?」なんて
陰口叩かれないよう

(そんなこと言う人いなかったけど)
とにかく仕事はきちんとやろう。
遅刻や休んで、人に迷惑をかけるのはやめよう。

(明日雪が降ると言われてて、
交通網が乱れるの、分かってて
いつもと同じ時間に家を出て遅れる人とか
その感覚がもう分からない)
誰に嫌われようが、疎まれようが
(なるべくそうならないように
部内や関係部署の人全員に
しゃべりかけよう!)
時には、怒りで握った拳を笑顔で隠しながら
毎週毎週、雑誌が問題なく刷り上がって
書店や駅の売店に納品されるためなら
なんだってしてきた。

「今さら、この座は降りられない!
降りたくない!!」


遠野リサの叫びが胸にヒリヒリと。

権力への執着とか
「必要とされてるんだ!」って
自己満足とかじゃない。

それは、「どれだけ賞賛を浴びても
認められてもずっと不安だった。
どれも本当に欲しいものじゃないから」


そう、どんなに働いても
人のために何かをしても
本当に認めてほしい
「必要なんだよ!」って言って欲しい人には
言われないから。


それなのに、ただただ働いてただけなのに
いつのまにか、降りられなくなってた。

「ほかの人に引き継ぎなよ」
「休めばいいじゃん」と
言う人もいるけど、
だったら、誰が代わりにやってくれるの?!

「私は15年かけてここまできたのよっ!」

本当はその道のりを彼にも
分かってほしかったんだよね~。

ほかに代わりがいない!」って
思われたかったんだよね~。