読売新聞紙上で好評だった
シンガー・ソングライターの松任谷由実さんの対談企画
「yumiyoriな話」。
ブログ1000回目更新の時に、マリリンさんに
来ていただきました。あれから4年半、
今回特別に復活です!

松任谷由実(以下Y)今回が2000回目の
更新ということで。

マリリン(以下M)やはり記念すべき回は、
ユーミンとお話ししたくて、
回数としては、たいした事がないんですけど。


Y 2000回
これから迎える方は途方もない回数と
思われるかもしれないし、
振り返る人はあっという間のはず。
2000回というのは捨てたもんじゃないですよ


 40周年を越えても、まだまだ活躍されてる
ユーミンからそんな言葉をいただくと、
重みがあります。


 一昨年、ベストアルバムを作って
40年分まとめて、改めて聴いてみると、
それなりに変化している。
時代というのも移り変わっているから、
同じ場に立っていると、一緒に移動してきている。
そういう自負はありますね。


 ユーミンはネットとか見るんですか?

 私はやらない。傷つくほうなのでね。
自分のってついつい見ちゃうじゃないですか。
まぁ、私のアンドロイドっぷりに
すごい厳しく茶々をいれたいのが
私のファンなんですけどね。


 あたしも含めてみんな狂信的な愛ですよ。
ユーミンとの出会いは
サントリーのロボットが出てくるコマーシャルソング
『不思議な体験』です。それから30年。
あたしの体は親が作ってくれたけど
あたしの魂はユーミンが形成したと言っても
過言じゃないですよ。


 私は偏差値の高いゲイのファンを
抱え込んでますから。


 人生の偏差値ですよね。
それは高みを目指して(笑)
それこそ、さっきも出たベストアルバム
『日本の恋と、ユーミンと。』じゃないけど
あたしの恋愛の隣には、いつもユーミンがいて
海外や宇宙に興味を持ったのも
輪廻転生って言葉を知ったのもユーミン。
「涅槃」って言葉は、日景忠夫さんだけど(笑)
たとえば、恋に落ちる瞬間ってあるじゃないですか。
逆に終わるときでも
ううん、恋じゃなくても、
旅の風景だったり、
自分の記憶に刻まれる一瞬
そのときの痛みや歓び
ユーミンの曲を聴くと、それが鮮明によみがえる。
ユーミンの曲がある限り、その「一瞬」は
「永遠」に自分の中にあるんだなぁ
出し入れ自由と思います。


 数年前に、茂木健一郎さんに
「クオリア」っていう言葉を教えてもらったんです。
夕焼けを見て泣いたり、
何かの匂いで、ある感情になるのは
そこを刺激されてるからだとか。
で、それをやりたくて、
音楽をやってたんだなと改めて気づいて。
歌詞で具体的にどうこう言ってるんじゃなくて
それを聴いた時に歌とメロディとサウンドとがあわさって
湿度を感じたり風の匂いがしてくるようなのが
気持ちいいなと。

ブログを書くのは楽しいですか?


 すごく楽しいですね。
小さい頃から、『徹子の部屋』や『今夜は最高!』
『新伍・紳助のあぶない話』に出ることを
妄想して、ひとりで喋っていたので
それを、文章にして、読んで笑ってくれた人が
いたのは、すんごいうれしかったですね。


 そういえば、黒柳徹子さんと心配してたんですよ。
ブログを読んで。彼とのことどうなっちゃうんだろ?て。


 ユーミンの『ふってあげる』を歌っては
♪ひたむきな視線や そのシャツの匂いが
私をすり抜けて やがて薄れてゆく♪って
歌詞で、泣いてましたね。
あぁ、ほかに好きな子ができたとか
別れることや会わなくなることじゃなくて
彼にとって、自分の存在っていうか
心の中にあるだろうあたしの輪郭が
薄れていくことが悲しかったです。
まぁ、それを訴えたら、
「お前のための、心の場所はある」て言われて。
このことあんまり友だちにも言ってないんだけど
終わってるのか、終わってないのか
壊したいのか、でもいない未来が想像できなくて。


 マリリンが壊れやすいものを持ってるから
読者の人もシンパシーを持って
読んでくれるんじゃないかな?
その壊れやすいものを壊さず
運んで行く強さが必要でしょう。


 そうですよね、壊れないものなんてない。
どんな仲が良い友だちだって
顔色を窺うって意味じゃなく、気を遣うし
もう、お局様のように長くいる職場も
だからこそ、仕事はきちんとこなしたり
しなきゃいけないって、自分を戒めてます。
『アナと雪の女王』で今流行ってますけど
♪ありのままに~♪なんて、本当イヤな言葉(笑)
図々しい!!
♪本当の俺を優しく迎え入れてくれる
家族と地元の友だち、いぇーーっ!って
マイルドヤンキーやってろ!って思いますもん。
ブログも、人のためにはやってないけど
読んでくれた人が、一緒に妄想で
キラキラした場所に行ってくれたらなぁ。


 私も、世代を超えて影響を与えてるな。
自分で言うのもなんですけど(笑)

いまだに荒井由実時代の曲が最高だった、
というファンの方もいるんですよ。
それは、とてもありがたいことでもあるのだけれど。
最大のライバルは、過去に作った曲たち。
違うもの、新しいものを作っていくことで、
新しい誰かと出会えたらうれしい。
かつて触れたことがある曲でも、
年齢によって見え方が違うこともあるんでね。
同じように、マリリンも、
そのときに感じた思いを発信し続けてください。


 今日はありがとうございました。