キチ○イ

でも昔のテレビってこういうパワーがあったよね。
バラエティもドラマも
作っている人たちの情熱が
一歩間違えばキ○ガイっていうか。

そんな空気がエンディングの美輪さんの歌まで
立ち込めてたNHKドラマ『TAROの塔』

そんな性(サガ)と業(ゴウ)と
松尾スズキと寺島しのぶが
よく出してたっていうか


その分、常盤貴子の美しい佇まい
田辺誠一の静謐さが際立ってた。


ちょっと浮世離れした成宮くん
生真面目な事務総長役の山崎一さんや
課長の正名僕蔵さん
もう役者が適材適所で光ってたよね。

よく、アメリカのアカデミー賞で実在の人物を演じると
主演男優(女優)賞取るけど
松尾スズキの岡本太郎は見た目だけでなく
醸し出すオーラ(眼力)までソックリで、
もうオスカー確実。


「芸術家ってなに?」
「地獄を見る人」

この答えで、もうすべてが集約できる。

あたしは岡本太郎本人より
養女でありパートナーであった「敏子」さんに
ずっと興味を持ってたんだけど
3年前に『愛する言葉』のこと書いてた。

今日ね、会っていた友だちは
たび重なる旦那さんの不貞に
もう顔も見たくない、喋りたくない冷戦状態が
ずーーーっと続いてるんだけど、

あたしの相方さんも、海外の風俗通いすごいし
日本でだって、何をやってるか分からない。
じつは探偵を雇おうと思ったことも一度や二度じゃない。
でもやっぱり、自分が好きで選んだ人だから。

「自分が その人を好きだという、
その気持ちに殉じればいい」


「ほんとうは傍にいたい。
二十四時間抱き合っていたい。
でもそれが出来なくても、黙ってその人を感じている。
その人が世界の中にいるというだけで、
存在が充たされ、磁石の針がぴたっと一つの方向を指すように、
心はその人に向かっている」


「男と女は支え合って生きるのだ。
ほんとうにそう言いきれる、
パートナーを持ちえた人は、
人生の勝者です。何でも出来るの。」


自分は人生の勝者じゃないし
この先どうなるか分からないけど
あたしは、いちばん身近な家族にさえ
「おかま」ってことで引け目を感じて
距離を置いて生きてきたんだ。
だから、いまの彼に会って、
心を開いて、なんでも出来ることを知った。

その他のことは目を瞑れる。(瞑りたい)
見たくないものは、見ない。
(書いてはいるけど、本当はしょっちゅう見てる)

今回は、しのぶ(太郎の母、かの子)の
「あたしを見てよ!なんだってやっちゃうんだから!
梨園のお嬢様だからって、遠慮はいらないのよ!」的な
お腹いっぱいの怪演花盛りだったけど

常盤貴子演じる敏子さんの、静かに、
でもすべてを太郎に賭けた“愛”を見たいな。