北川さんの脚本は最高!!

常盤さんとのコンビは最強!!

『お母さんの最後の一日』

誰かが死んだり、病気と障害と闘ってる人を見て
「泣きました!感動よ、ありがとう!」って
映画やドラマ、バラエティ(ええ、24時間TV)は
苦手です。


病気はツライし、本人も周囲の心も
蝕んでいく。
障害を持っている人はそんなに頑張んなきゃ
いけないのか?
あたしはムリ。
自分が入院してた時は
痛いの嫌だし、文句もわがままも言っていた。
父親がガンで苦しんでる姿も
友だちがたくさんのチューブに
繋がれてる姿も目を背けた。
人の死は「泣いて、感動よありがとう」なんかじゃない。

そもそも、「泣かせてくれ!」
「感動させてくれ!」って
劇場に向かったり、テレビを観るのって

(スポーツ中継するテレビ局の煽りも)
すんごい卑しいっていうか
心の琴線は、自分で奏でろ!!って。


だけど、このドラマは違う。

北川さんの今回の作品は
有村家の姿を通して、当たり前のように
お母さんがいる景色がずっと続くと信じてる
看護婦・美由紀(原沙知絵)の心を
フト揺らしたかのように
あたしたちの記憶や思い出
親へのあふれる思いを、


『ビューティフルライフ』のときもだけど
それでも、人は幸せに生きる、
生きる力がある。
人の人生は、苦難があっても
誰かの“愛”に触れていたことを


呼び覚ましてくれるの。

ドラマとは違って、亡くなった父は
抗がん剤で意識は朦朧としてたけど
どっか気が立ってた妹とふたり、ケンカしたなぁ、とか
しゃべってないと落ち着かなくて
病院の廊下で、妹としゃべり倒してたら
ほかの患者さんのご家族に叱られたなぁ、
神奈川のガンセンターの窓は鉄格子があって
「そっか、闘病に負けそうになって
飛び降りられたら困るもんな」と
葬儀の手配を冷静にしてる自分とか

知らぬ間にとめどなく流れる涙と一緒に
記憶や感情が大洪水。


何度も訪れる危篤に、ドラマのように
「お父さん!お父さん!」と泣き疲れ
じつは、あたしたち家族は爆睡してしまったんだよね。
「やばっ!寝ちゃった!お父さんまだ生きてる?!」って
ガバって起きて、息してること確認したり。

みんながバラバラに生活している今
お父さんのベッドを囲んで、頭を並べて寝るなんて
十何年ぶりのことで…。

それだけでも、「幸せな最後の一日」だったんじゃないか、
もちろん、お父さんが幸せだったかどうかなんて
あたしが決めることじゃないし、分からないけど

今回、このドラマを観て、空を見上げたよ。

キャッチボールも相手しない
酒も酌み交わさない、
結婚も孫の顔も見せない息子だったけど

その“後悔”の分、親を思い出すのかな。
そうやって悔やんだりすることも含めて
「親を看取る」ってことなんだろうな。


それーーより、怖いです!!
父のときも、去年親友が亡くなったときも
「こんな悲しい思いをしたら、
もう何が起きても大丈夫、痛みに耐えうる」
強くなった気がするけど、

母親はムリ、無理!
あたしが母のお腹を痛めた子どもなら
母はあたしの命の半分
「もしも…」のときは、
胸が半分もぎ取られて、
心の出血多量だよ、ムリ!無理!


そんなことなら、ハリウッドの大作映画みたいに
隕石落ちて来たり、天変地異が起きて
地球人、いっせいのせいっ!でみんなで絶命しようよ。

母が病気で入院をするようなことあったら
そのときは、(きっと嫌がる)相方さんに
バイト代でも包んで(笑)引き連れて

「この人がいるから、僕のことは安心して」って
そのとき初めて紹介しようかな?

息子の現実を突きつけられて、ショックで
死期が早まっちゃうか。

そんなことになるまえに
母親、それだけじゃない、今周りにいる人に
大切にしたい人に、思いは届けていかなきゃ!な。