そのとき、外は雨。

初めてその人とみんなに内緒で会ったとき

初めてその人の実家に行ったとき

初めてその人の部屋に泊まったとき


外は、いつも雨。

当時街に流れていた「あの歌みたい」

無理やり“運命”にしようとしてた。

初めてふたりで遠出をしようとしたその日

何十年に一度の大雪。彼の車も道も雪に埋もれて


「もう、どこにも行けない」とその恋の終わりを感じた。

それから何年もして、自分の歩いている道が
間違ってる気がして、
雨の中、何年ぶりに彼に電話したときの

「お前が決めた道なら、俺が○つけてやる」

もう彼が忘れてるだろうその言葉を
二度と会うこともない彼のひとことを
ずっとずっと大切にしてた。


小中高、大学のクラスメートやサークルの仲間、
社会人になってからの友だち
毎日会う職場の人たち、そして相方さん
ずっとこのままでいい、このままがいい。
それを守るためなら、なんでもしてきた。


そして、今日、
ひとつの出会いがあって、すんごくうれしかったんだ。
人生で、スペシャルな新しい出会い。


彼が勇気づけてくれたあの日から
自分で選びとってきたから、
今日にたどりついた、と伝えたい。


はじまりはいつも雨