本当は一本の映画を紹介したかっただけなのに
前ふりが長くなりました。長すぎっ!
「愛と青春の旅立ち」と前後編で読んでもらうと嬉しいです。
それでは後編!


代議士の妻になるべく、勉学に励み「法学部」に入学した
ひとりの聡明で美しい少女(あたし、あたしですよーー)
しかし、入学後は、大学の「理想と現実」に直面し
モラトリアムの日々。
そんな時、“魂の友”Yちゃんが、「今度映画になるんだよ」と
手渡した一冊の本。


それが、トマス・ハリス原作の『羊たちの沈黙』


異常犯罪者なんて幼い頃、
夕暮れの図書館で読みふけった江戸川乱歩しか知らなかったあたしに
殺人事件なんて、遺産や愛憎、骨肉の争いしか(横溝、クリスティー)
思い浮かばなかったあたしに、その本は衝撃を与えました。
その残虐で、深遠な暗闇、
人間の欲望が炙り出す光と影。
あたしは寝るのも惜しんでページをめくりました。


そして忘れもしない血のバレンタインデー
全米で公開された映画は、まさに原作通りの、
緊張と、戦慄をはらんでおり、
法の世界に生きる美しい(しつこい?)少女
眠っていた闘争心(妄想)に火をつけたのです。


あたし、FBI捜査官になる!レクターと対峙する!


女は、“守られるべきかよわい存在”じゃない、
女の強さ、凛々しさを教えてくれたのは、
クラリスもといジョディ・フォスターあなたでした


もうそれからは、直言実行のあたしですもの。
ワシントンDCのFBI本部に行きましたよ(コレ本当、当時は入館できたのだ)。
犯罪のゼミを専攻して、心はクラリス・スターリング。
関東近辺の刑務所を回りました(コレも本当です!)


ガシャーンと音がする鉄格子の扉(エスカレーターなら尚可)があれば
レクターが監禁されている独房に歩み寄るクラリス気分。
他の収監者の卑猥な言葉(幻聴)にも耐えて(喜んで)いきましょう。
怖い、負けない、だってあたしはFBI訓練生。


誰かに書類を渡す時は、レクターがクラリスにしたように
指で、なぞってくれんかね?
もう、あれこそ純愛!究極の愛でしょ
あの一瞬が、長く監禁されていたレクターにとって
心が解き放たれた瞬間(まあ後に脱獄するんだけど)と、
思うと泣けて泣けて、サイコ・スリラーで涙に暮れるあたし。


ラストの真犯人“バファッロービル”との地下室での攻防
“ヘレンごっこ”(タイタニックの項参照)の上級編。
暗闇の中、拳銃構えて(妄想)、彼を追い詰めていくシーン。
部屋を真っ暗にして、何度もやりましたよ。
ハア、ハア、息を立てながら。
そして忍び寄る魔の手に
振り向きざま、銃をぶっ放すのです・・・

チャララ、ラララララ~(映画のサントラ)

最後は、免許証かなんかを(FBI捜査官身分証の代わりに)
顔の横に掲げて、晴れてFBI捜査官。

すると、不穏に鳴り響く電話。


「どうだね?クラリス、子羊の悲鳴は止んだかね?」


いやっーーー15年経った今でも、妄想止まらないんすけどね、
どうしましょう?ドクター・レクター。