松任谷由実さん宇宙図書館ツアー
前回は僕の生まれ故郷横浜でしたが
今回は、カータンと二人で
ユーミンの生まれ故郷八王子
行ってきましたよ。

そしてコンサート後の楽屋へ
ユーミン訪問。
妄想ですよ!誇大妄想!
詳しくは、読売新聞の対談
その続編

そして、こんなこと11年も前からやってた!
成長まったくなし!ただの病気か?!
オールナイトニッポン出演!
その続き )

僕(以下M)「今日のコンサートは、
またすごい盛り上がりでしたね!
ステージは、前回同様すごかったんですけど
観客の熱量がハンパなくて。
みんなユーミンに故郷へ錦を飾らせたいのか、
歓声や拍手がすごかったですよね。
ダブルアンコールで
『中央フリーウェイ』を歌い終わった後も
拍手は鳴り止まない、誰も帰らない、で
最後、警備の人がみんなを追い返してた(笑)」

ユーミン(以下Y)「45年?この街を出てから
45年の月日が流れてしまったけど
18年、生まれ育ったこの街で
宇宙図書館で伝えたかったことが
みんなに届いたのは、うれしかったですよ。
『中央フリーウェイ』は、
自分でいうのはおかしいけど、
すごく完成度が高いっていうか
これだけの曲書けるものなら書いてみろみたいな
自負はあるけどね」


「カータンは自分も走っていた道で
思い入れがあるのか、号泣してましたよ。
カータンが、久々に
ユーミンのコンサートに行くというので
でも、五十肩で、手が上がるかなぁって
気になってたんですよ。
『DESTINY』のあの振り付けは
事前に教えておいたんだけど、
あっ!『ルージュの伝言』忘れてた!、て」


「私も、その頃はつらかったんです。
ホルモンバランスが不安定だったのか
すごく調子が悪かった。
作品やパフォーマンスに影響することは
なかったけどね。
更年期は大人の思春期。
竹の節のように、そこに滞らないと
先に伸びないんだろうね」


「でも、ユーミンはスタイル良くて
本当に、かっこいい!!!
ユーミンが大人ってかっこいいって
憧れを抱かせてくれた存在だったんですよね」

「私のアンチエイジングは創作だから。
苦しくても曲を作っていると
自分の中から分泌される何かが
乳液になってるような。ガマの油か(笑)
ファッションに関しては着たがりだし
服は経験だと思っているので。
たとえ失敗しても、恥をかいても
それもまた経験になるから」


「失敗といえば、服装もだけど、今回、
ユーミンの怒涛のヒットメドレーを聴いて
うわっ、恋愛の勝ち負けばっか(笑)
♪冷たくされて、いつかは見返すつもりだった♪
みんな青春時代の、忘れられない恋
破れた恋ほど、ユーミンの曲がシンクロしてて
その時の悔しさや痛みを、
あの頃の自分を、その時見た景色を
反芻しに来てるのかなぁ?って。
♪どうしてなの?今日に限って、
安いサンダルを履いてた♪とか
失敗も多かったけど、
破れたTシャツを燃やして
呪文をかけようが
真珠のピアスをベッドの下に
置いて帰ろうが
やっぱりまっすぐに恋愛にぶつかっていった
あの頃の自分は眩しいんですよね」


「ラブソングは人に伝えやすいから
どうしても恋愛をテーマにすることが
多くなるんだけど、
乱暴に言えば恋はどうでもいい。
それより心やものが移ろいゆく刹那を
温度とか、匂いとか風の音とか
そういう形で表現しているんだと思う」


「今回は歌われなかったんですけど
『ダイアモンドの街角』って歌で
“待ちわびた電話が狂おしい催眠術のように
彼の元へタクシーを走らす
って歌詞を聴くたびに
学生時代好きだった人が、東京の西の外れに
住んでいて、夜中に最終電車に飛び乗って
会いに行ったんですよ。
その時の総武線がすごい混雑で、その熱気で
窓がもうすごい煙ってて
それさえも、ユーミンのおかげで
映画のシーンのように、いまだに
自分の網膜に焼き付いてるんですよね。
総武線なのに!」


「でも、冷酷に時に委ねることによって
“時薬”どんな悲しみを忘れさせてくれる。
それはどんな思い出も
薄れてしまうことでもあるけれど」

「そんな薄れていく記憶を
ユーミンの曲は
瞬時に引き戻してくれるんですよ!!
今回の『リフレインが叫んでる』で
♪どうして、どうして、僕たちは
出会ってしまったんだろ
壊れるほど抱きしめた♪ってイントロが
流れた途端に、46歳のおじさんは
心の中で御茶ノ水の坂を駆け上ってましたよ。
あぁ、大学がそこにあって、
好きな人が近くのドトールでアルバイトしてて
毎日のように通ってたんですよね。
バイトが終わるの待ってたり。
今回のコンサート演出で、この曲の歌詞が
バラバラになって、飛び散ってましたけど
彼からもらった言葉が、
ずうーっと胸の奥に閉まってた言葉が
ブワッーーーって甦って、号泣ですよ」


Y「どんな言葉をもらったの」

「お前がどんな選択しても
俺が絶対丸をつけてやるよ、って
今思い返したら陳腐だし
彼が言ったことさえ忘れてるだろうけど
ユーミンの曲を聴くたびに
その言葉も思い出して、頑張ろう!と」

「ポップスは聞き手に届いてから
完成するんですよ。
その人の思い出とリンクして育つから
自分が提示したものが
無限に広がる可能性があって
聴いた人の数だけ、それぞれの音で
広がっていくんですよね」

「僕の中で、今日、八王子の会場にいた人の中で
いや、日本中の少なくとも
僕らの世代の多くの人の中で、
ユーミンの曲は広がっていくんですよね」


「いつか、私がいなくなっても
“読み人知らず”になっても
残っていくような、それこそ宇宙図書館に
残るような曲を届けていきたいと思ってます」


「今日はありがとうございました!!!」


宇宙図書館(通常盤)
松任谷由実
Universal Music =music=
2016-11-02