あーー、とてつもない疲労感。
立ち上がれないよ。

凄まじいパワーに直面すると
こんなに疲れるものなのか!

東京都現代美術館の
石岡瑛子
血が、汗が、涙がデザインできるか』

に行ってきました。

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行ったら、何時間待ちの長蛇の列で
予約しといて良かったー。

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僕は、美や芸術のセンスがないのか
国内外で有名な美術館に行っても
サーーーって、回ってしまうんだけど
(マドリードでピカソの『ゲルニカ』
観たときは、動けなくなったが)
もう、今回は、その作品群の熱量の高まりに
時間を忘れて、ガッツリ、見入っちゃったよ。

僕が彼女を知ったのは、
コッポラ監督の『ドラキュラ』
アカデミー衣装デザイン賞を受賞したとき。

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その後、大好きなはずなんだけど
いつも寝ちゃう、でも、何度も観たくなる映画
『落下の王国』も担当してることを知って
その衣装を見られるだけでもいい、と
この展覧会を楽しみにしてたのだ。

(ターセム・シン監督とは『ザ・セル』以降
『白雪姫と鏡の女王』まで全ての作品でタッグ)

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そしたら、前田美波里さんが水着で横たわる
広告宣伝も手掛けたのか。

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資生堂を退社し、フリーになってからは
パルコや角川書店のキャンペーン
あの誰もが見たことある山本山の海苔
コーヒーのMAXIM、
アート・ディレクション
シルク・ドゥ・ソレイユ
そして北京オリンピックの衣装デザインなど
多岐にわたって、生涯活躍してたんだ!

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いや、北京オリンピックの開会式の映像が
壁一面に流れててさ
こんな圧倒的な芸術を
半年後の東京オリンピックに準備できるの?!

あの斬新的なザハさんの
新国立競技場案却下したのが運の尽き。
ロゴの盗用問題や、森さんの女性に対する発言まで
もう時代が、東京オリンピックを求めてないんじゃ?!
人間の歴史の大きな流れが、
消し去ろうとしてるんじゃ?

って、そんなムー的な壮大なことを思ってしまった。

だって、もう、覚悟が違う。

「いつも崖っぷちに立ってる
ヘタすると落っこって命を落とすわけだけど
そこに踏ん張って生き残るみたいな…
そういう瞬間が何度もある
クリエイティビティの本質は
そういうことの中にありますから」

「私にはこれしかない
これがなかったら明日がない
生きててもしょうがない…
そのくらいの猪突猛進ですね」

【オリジナル性】と【タイムレス】を目指して

「自分にしかできないものをやらないと
サバイブできないだろう。
これは自分の直感的に考えたことと
人のまねは絶対にしたくないってことですね」

「昔のいくつかの仕事を見て
昨日作ったみたいに新鮮」

「無限にやっていたいから
無限に仕事していたいわけだから」

「最終的に自分の成し遂げたい
表現はやるんだけども
やっぱり他の人を巻き込んで
フレキシブルにする。
そういうふうにしないと大きなシステムの中で
最後に自分がウィナーになるということは
できないんですよ」
いくつになっても若い才能と組む野心。

そんな彼女が、「ツルツルピカピカ
表層的にただきれいなだけで
中身は空っぽ」
な広告やエンタメ業界、
デザインの世界を見限って、
日本を離れていったのが、残念でならん。

そして、年と共に成熟して
世界で活躍していった彼女と

相反して、この東京オリンピックまで
停滞(後退?)している日本。

ただ、こんなコロナ禍で
若者、デザイナーさんや美大生ぽい
オシャレな人たちが詰めかけ
瞳を爛々?キラキラ?としてたんですよ。

石岡さんの芸術の魂が
次世代に受け継がれていって
いつか石岡さんとのDNAと混ざり合うから。
それがエターナルだし。

(僕が赤西仁のファンtweetをパクリ)

なんか、コロナとは違ったウィルスの
熱に冒された日だった。